(1)パソコン
中学生になった頃に、娘のパソコンを更新しました。今回も親のお下がりです。ついでに、いくつかのソフトを追加し、その使い方を教えました。ネットスケープや一太郎、エクセルは使いこなせていたので、今回はフォトショップ、画像ビューワー、ホームページビルダー、パワーポイント、データバックアップソフトなどです。
パソコンは、中学生になったら、勉強にも役立つようになりました。たとえば、中1の夏休みの理科の自由研究として、「カナディアンロッキーの花」という高山植物の観察レポートを娘は自力で仕上げました。トレッキング中に高山植物を見かけたら、デジカメで写真を撮影し、生育環境をメモ。帰国後、文献資料やネット情報で花の種を特定して、撮影した写真をフォトショップで編集し、パワーポイントでレポートを作成する、という手順です。調べた花は全部で100種類程度で、似た花が多く特定に苦労していましたが、なかなか充実した約40ページのレポートとなり、学校の先生にたくさん誉めしてもらえました。この件で娘は理科が好きになったようで、その後は理科の成績がずっと5でした。
(2)柔道
「中学校の部活は、何でもいいから、運動部にしろ」と親に言われた娘は、ランニングをほとんどしないというそれだけの理由で、柔道部に決めました。柔道部は男子10名くらい、女子は4名です。動機はいい加減ですが、入部したら意外におもしろかったようです。「どんどん強くなりたい、そしてなるべく早く初段を取りたい」と考えた娘は、部活で熱心に練習し、さらに隣の杉並区柔道教室にも通いました。
体格に恵まれていたこともあり、女子4人の中では最も強くなり、女子団体戦(中学生の柔道大会では1チーム3名)では大将でした。中2の頃には、個人戦でも、3回戦くらいまでは勝ち上がれるようになりました。強豪校の選手が誰も出場しない、参加者数がとても少ない市民大会のような大会では、女子中学生の部で優勝したこともあります。
試合はすべて、夫婦で応援に行きました。ある団体戦では、先鋒が優勢負け、中堅が引き分けで、最後の大将戦で1本勝ちならば勝ち、引き分けなら負け、優勢勝ちなら決定戦という状況になりました。「1本で勝てー!」と顧問の先生が叫ぶ中、体重がある相手になかなか技を出せず、時間だけがじりじりと過ぎていきます。お互いにかなり疲れた終盤、最後まであきらめなかった娘は、足技で相手を崩して寝技に持ち込み、そのまま抑え込んで1本を取り、チームに勝利をもたらしました。この試合を経験できただけでも、柔道を続けた甲斐があったと思います。
中2の冬、受験可能な年齢になったらすぐに、娘は昇段試験を受けました。女子の初段の審査には、15名くらいでの総当たりでの乱取りがあります。「乱取りであんまり負けばかりでは、初段をもらえないのでは」と心配して見ていましたが、娘は全員に1本勝ちで、すんなりと昇段試験に合格しました。自分よりも大柄な相手にも顔色を変えることなく、揺さぶり、崩し、投げたり抑え込んだりして勝利を重ねていく娘を見て、「心も身体も、ずいぶん強くなったなあ」と感じました。
(3)旅行
中2の夏に、家族でワシントンDCとNYに行って、博物館・美術館巡りをしました。スミソニアンの博物館群はかなり見応えがあり、美術館のナショナルギャラリーもかなり充実していました。NYのメトロポリタン美術館は、質・量ともに素晴らしく、3日間では足りないくらいです。この旅行で、娘はすっかり美術が好きになり、以後の美術の成績はずっと5でした。
ワシントンDCでは、私と妻の高校時代の同級生に会いました。高校生の時にAFSの交換留学でアメリカに行き、日本の大学と企業を経て、その後はアメリカの企業や団体でキャリアを積み上げてきたという女性で、その当時は世界銀行に勤務していました。彼女は娘に、高校生での交換留学を強く勧めてくれました。「日本の多くの会社・団体に存在する『ガラスの天井』が、アメリカにはまったくない。だから私はアメリカにいる。たくさんの優秀な日本人女性が、アメリカで暮らしている」とのこと。このアドバイスで娘は、「高校生になったら留学をしたい」と心を決めたようです。
(4)ミュージカル鑑賞
小学校高学年の頃から、劇団四季のミュージカルに娘を連れて行くようになり、中学生の頃は2か月に1回くらいのペースで見に行きました。チケットは安くはないですが、劇と歌とダンスで3倍楽しいので、楽しさ当たりで考えるとコストパフォーマンスは悪くないと思います。
ミュージカルは、登場人物の心情を理解しながら楽しむ舞台芸術です。セリフや表情、態度から、その人がどう思っているかを感じ取っていくという点で、国語の物語文の読解と同じ。このあたりのセンスがミュージカル鑑賞で多少は磨かれたことでしょう。幼児期の絵本の読み聞かせで本が好きになって、そのまま中学生になってもいろいろな本を読み続けていた娘は、中学校では国語の成績がずっと5でした。
(5)学習塾
英語と数学の2教科で、塾通いを継続しました。中3になったら国語の受講も必要かもしれないと思っていたのですが、国語は小学生の頃から得意だったので、最後まで2教科受講でした。
(6)中学校での成績
中1の最初の頃は、5は国語だけ、他は4か3という平凡な成績でした。中学校の授業のペースや定期試験に慣れてきてからは、どのように勉強したら効率的なのかが分かってきて、少しずつ成績が上がっていきました。塾で各教科の勉強の方法を教わったり、試験対策授業をしてくれたことも、役に立ったようです。塾の指導の通り、学校の中間・期末テストに備えての試験勉強は、3週間前に開始し、2週間前には本格化させていました。
(7)高校受験
中2の夏の終わりに、「高校生になったら、1年間留学したい」と娘が言いました。そこで「都立の上位校に合格したらOK、私立高校の場合はダメ」と条件を提示しました。
この段階で娘の成績は、「都立の中位校なら合格圏、都立上位校は努力圏」というレベルです。
という理由から、近所の都立、できれば上位校に行ってくれたらいいな、と考えていました。
- 学力的に将来の進路選択があまり制限されない(がんばれば医学部にも行ける)
- 校則が緩く、のびのび楽しい高校生活になる
- すごくおもしろい先生がいるかもしれない
- 学費が安い、自転車通学なら通学費用も安く上がる
- 私も妻も都立高校で楽しい高校生活だった
この条件提示を娘は、「もう少しがんばれば、私は留学に行ける。たぶん私は成績を上げられる」とポジティブ思考で受け止めたようです。「このまま成績が上がらないかもしれない。そうなると私は留学に行けない」というネガティブ思考だったら、その後の娘の人生は大違いだったことでしょう。目標が定まって、娘はさらに熱心に勉強するようになりました。
近所の都立上位校といえば、まずは武蔵野北高校です。女子に人気があり、合格するためには通知表の成績はオール4とオール5の中間くらいが必要です。ここに受かったらたいしたものだ、と私は思っていました。中3の春の実力テストで、この高校の合格圏に達しました。中3の秋の実力テストでは、安全圏にまで到達しました。そしてびっくりしたことに、このテストで、都立最難関の西高校の合格圏に迫っていました。
中3の2学期の通知表は、オール5に1つ不足という成績にまで上がりました。こうなったからには、都立高校は西高校にチャレンジです。中3の1月の実力テストでは、ついに西高校の合格圏に入りました。
私立高校入試で國學院久我山と中大杉並に合格しており、多少は気が楽だったでしょうが、最後の実力テストでは西高校は合格圏で合格率は60%、安全圏ではありません。西高校の独自問題は難易度が高いので、どこかで躓くと一気に崩れてしまう可能性があります。そのため、私としては五分五分の勝負だと思っていました。
雨の合格発表日、娘の番号が掲示板にありました。さっそくその次の日から、高校生交換留学団体の資料集めを開始しました。
(8)その他のしつけ
中学生だった頃の私は、家が貧乏だったこともあり、自分にまったく自信を持てず、そのため将来に向けての夢や希望もありませんでした。その日その日が楽しければそれでいい、いろいろと大変そうだから大人にはなりたくないなあ、と考えていました。
私と似たような中学生になっては困ると思い、「世の中、楽しいことがいっぱいあるなあ」と思えるように、娘にはいろいろな体験をさせました。パソコンでおもしろい動画を探してそれをダウンロードする方法を教えたり、旅行では博物館や美術館、テーマパークなどに行きました。おもしろそうな作品を選んで、ミュージカルにも連れて行きました。
また、中学生の頃から、お金の話をよくするようになりました。大学を卒業して就職するとどのくらいの給料がもらえるのか、その給料でどんなことができるのか(一人暮らしで家賃を払うとクルマを持つことは難しい、とか)、職業に貴賤はないが収入差は歴然と存在する、旅行に行くには交通費と宿泊費と食費でどのくらいのお金が必要か、などです。
これらは、「大人になったら、しっかりと稼げる人になりたい。そのためには、いい高校からいい大学に行って、いい会社に就職した方がいい」と考るようになって欲しかったからです。中3の頃には娘の精神年齢がかなり上がってきたので、このような話もまあまあ理解できたのではないかと思います。
(9)中学生のケータイについて
中学生になったら、娘はケータイを欲しがるようになりました。まだスマホがそれほど普及していない時代ですので、ガラケーです。クラスメートが数名持ち始めた、という状況でした。しかし、「普通の中学生にケータイは必要ない」と親に言われました。「このような場合は、食い下がってもわが家では事態が変わることがない」と分かっている娘は、すぐに諦めました。
その後、転居して、中3の1年間はバスと徒歩で中学校まで30分以上かかるようになりました。「バスは渋滞や事故で遅れることがある。また、中3になると学校から塾に直行するなどして帰宅が遅くなることもある。いろいろな事態が考えられるので、私がケータイを持っていた方が、何かと便利で安心」と言ってきました。しっかりした理由を考えてきたので、使い方についての注意をしっかりしてから、ケータイを買い与えました。ガラケーだったので、通話無料の家族間の電話以外には、たまに友だちとメールやりとりをする程度で、勉強の邪魔にはならなかったようです。
最近のスマホは、ゲームや動画閲覧やラインなど楽しい使い方が多すぎて、勉強の邪魔になる可能性がとても高いです。塾の生徒を見ていると、スマホにたくさんの時間を使っている中学生で、成績がいいという生徒は1人もいません。逆に、成績不振の中学生は、その大半がスマホ中毒です。だから、成績のことを考えると、中学生にスマホを与えてはいけません。連絡が取れないと心配だという場合は、中学生のうちはガラケーみたいなスマホを使わせて、しっかり勉強して希望する高校に合格したらスマホに切り換える、という作戦がいいのでは、と思います。