海外留学体験レポート E−1
アメリカ・ミシガン州・1年
Y.N.さん(本人) 事前編 2016年9月掲載

 韓国へのホームステイ(中2の夏)

武蔵野市の青少年交流派遣団の一員に選ばれ、ソウル特別市江東区に派遣され、一般市民の方のお宅に約1週間、ホームステイさせていただきました。同い年のホストシスターが毎日英語で話しかけてくれて、うれしかったです。「このホストシスターのように、国籍や肌の色が異なる人に対しても、積極性にコミュニケーションできる人になりたい」と思うようになりました。

韓国では、食事方法や入浴方法、靴の向きまでもが決まっていて、日本と生活文化が大きく異なります。すぐ隣国なのにいろいろな差異点があることに、新鮮な驚きを感じました。他の外国は日本とどのように生活文化が違うのか、興味関心が高まってきました。

また、韓国の先住民の歴史などを学び、伝統楽器を体験するなどして、韓国の伝統文化を学びました。自分の五感で、これまで知らなかった他国の文化を学ぶことは、とても楽しい経験でした。他の外国の伝統文化も、いろいろと勉強していきたいと思うようになりました。

この時の経験から、「高校生になったら海外留学に行きたい」と考えるようになりました。理由は3つあります。まずはじめに、1年間知らない土地で生活することは、考えただけでワクワクするからです。次に、英語力が高まるなら大学入試で役立つからです。そして3つめは、上に述べたように韓国1週間のホームステイで、外国について学ぶことが大好きになったことです。

 高校受験(中3)

中3の時はなかなか成績が伸びず、悩んでいました。そんな時、塾の先生に勧められて、英検・漢検・数検の3級を次々に受検しました。いずれも合格できましたが、もっとも成績が良かった(合格点を余裕で超えていた)のは英検でした、

英語は、単語力や読解力が必要とされ、それらを高めるには時間がかかるため、学力が伸びにくい教科と言われています。だからこそ、最も力を入れる必要があると私は考え、また留学のために英語力が必要と思い、必死に勉強しました。その甲斐あって、1年生の時に苦手だった英語は得意教科になりました。そして、第一志望の都立高校に合格することができました。塾や学校、そして近所の人から、たくさん祝福していただきました。

 交換留学団体探し(中3の冬)

高校受験が終わったら、さっそく留学団体探しです。私の英語を担当していたR先生は、高校生の時にアメリカに1年間留学に行っていた(その際のレポートは、「事例−2:アメリカ・メイン州・1年」)ので、留学団体の選び方など、いろいろと参考になる情報を教えてくれました。

 AFS交換留学説明会(中3の終わり)

AFSは海外への交換留学の団体の中で最も有名で、アメリカに年間150人の高校生を派遣しています。その他にもイタリアやフィンランドなど、派遣国の多さは日本の交換留学団体でトップです。R先生も、AFSを第一志望として海外留学を目指し、選考試験に合格してAFSの派遣生となりました。

そこで私は、まずはこのAFSでの派遣を目指しました。派遣生選考試験では、英検2級以上の英語力が求められます。そして、選考試験の英語はELTiSという形式なので、説明会の会場でその過去問を入手して、毎日勉強しました。

 次世代リーダー育成道場との出会い(高1)

高校に入学したら、次世代リーダー育成道場第4期生募集のパンフレットが配布されました。これを見た瞬間、すぐに先生に「応募したい」と伝えました。1学期の中間試験の後、次世代リーダーの説明会に出席しました。その時、2期生の先輩から「私も合格できるとは思わなかった。しかし、とりあえず応募してなんでも挑戦してみることが大切!。ダメだったらその時考えればいい」とアドバイスされ、この制度にチャレンジする決心が固まりました。
 次世代リーダー育成道場の概要(平成27年度第4期生募集の場合)
世界や日本の将来を担い、様々な分野において活躍する高い志を持ち、次世代のリーダーとなることを目指して国内研修及び海外留学で学ぶことを希望する都立学校の生徒向けの東京都のプログラムです。

募集枠は、以下の3種です。

@指定校特別推薦−−−都立の進学指導重点校と都立中高一貫校から各2名ずつ(枠内最大34名)
A学校特別推薦−−−上記の高校以外から各1名ずつ(枠内最大66名)、前年度の評定平均3.8以上かつ前年度の英語の評定平均が4以上であること
B学校一般推薦−−−都立高等生、中等生なら誰でも応募可能

コースは冬出発のAコース(オーストラリアが多い)と、夏出発のBコース(大半がアメリカ)の2種で、Aコースは半年、Bコースは1年の研修があります。私はアメリカに留学したいと思い、Aコースを選択しました。

 出願

中学生で韓国にホームステイした経験が評価され、また他の生徒が応募しなかったため、2番目に合格しやすいと思われる学校特別推薦の枠で受験できることになりました。中学での経験も必要ですが、高校に入学した後も学業に励むなど積極性のある生徒なら、学校特別推薦をもらえる可能性があると思います。これに対して、学校一般推薦は、応募者が多いため、高倍率になっています。国際高校や立川国際中高一貫校、小平高校の外国語コースの生徒は、学校一般推薦を含め、1校で5〜6人が合格しているようです。

出願の際に、願書と自己PRカード、小論文、学校からの推薦状が必要となります。自己PRカードは、志望理由、次世代リーダー育成道場で生かしたい特技、学校で力を入れて取り組んでいること、英語検定試験の取得状況、英語以外の資格取得状況の5項目。小論文は1200字で、「現代社会において日本が期待されている役割・・・」というようなテーマでした。

「自己PRカードと小論文の出来が合否を左右する」と考え、ほぼ毎日のように書き直しました。ジャムの塾長はこのような指導が大好きなので、こってりみっちりと指導してもらいました。はじめて書いた文章は、そのほとんどが要修正でほぼ全滅、というありさまでしたが、だんだんと生き残る部分が多くなり、提出日までには満足できる完成度に仕上がりました。塾長が「このレベルなら、成績優秀な高1生が100人いたとしても、上位5人には入れる」と太鼓判を押してくれました。

 面接対策

出願から選考試験までの間に、ジャムの塾長が面接対策をしてくれました。面接で聞かれそうな内容を想定し、それに対する返答を考え、想定問答集を作っていきました。そして選考試験の数日前には、模擬面接までしてくれました。塾長が「ここまで面接対策をしっかりしているのは、成績優秀な高1生が100人いたとしても、1人か2人だけだ」と太鼓判を押してくれました。

 選考試験

5月下旬の試験の内容は、英語と日本語での面接でした。英語の面接は約20分間で、自分の意見を伝えたり、いくつかの質問に答えていきます。日本語の面接は約15分間で、なぜ応募したのか、日本の高校ではどのように生活しているのか、アメリカから帰国したら日本の高校ではどのような形で留学経験を活かすのか、などを聞かれました。

面接では、想定していない質問をされたり、使いたい英語の単語が出てこなかったりして、何回も頭の中が真っ白になりました。しかし、「自己PRカードと小論文はバッチリ、面接対策もしっかり進めたから、合格圏内にいるはず。あわてずに落ち着いて、自信を持っていつもの調子で応対しろ」という塾長のアドバイスを思い出して、なんとか平常心を取り戻しました。うつむかず、相手の顔を笑顔で見続けました。細かい失敗はたくさんありましたが、大きな失敗をすることなく、面接を終えることができました。しっかり準備しておいて良かったです。

なお、平成28年度第5期生募集では、選考方法が変更されています。出願の際に小論文の提出は不要になりましたが、試験の内容が増え、英語・日本語の面接、小論文、英語の筆記試験となっています。

 合格発表

6月下旬に試験の結果通知が学校に届きました。授業中に担任の英語の先生が伝えに来てくれました。私の学校では初の合格者だったので、とてもうれしく光栄なことでした。その後、自宅に入門証が届きました。

 研修

高1の夏休みから研修が始まりました。入校式に続いて、保護者とともにオリエンテーションをうけました。留学の概要やどのような場所に行くのかについての説明を受けました。また、入門時点での英語力を判定するためのテスト(SLEP)がありました。

その後、英語による講義が始まりました。外国人講師の指導で、自己紹介や勉強方法、アメリカでの困難などについて、英語で他の研修生と話し合いました。また、アナウンサーや登山家など、さまざまな分野の留学経験のある方々の講義もありました。

日本の歴史学習(近現代史)は、冊子で近現代史について予習し、その後社会科の先生の講義を受ける、という形式です。課題について自分の言葉をまとめて挙手制で発表していきます。また、歴史的な建物の見学もありました。

ゼミナールは、近年の社会問題や情勢につながることを題材として日本そして留学先で研究を行うという内容です。私は、「18歳選挙権について」を題材として研究を行っています。日本の研修では、情報を収集してグループごとに発表し、その内容について意見交換を行いました。アメリカでは、地域の施設や住人、そして現地校などでアンケートを取ったり文献について調べたりフィールドワークなどを行う予定です。帰国前に、研究ゼミナールとして事務局に提出することになります。

英語実践演習は、グループに分かれて外国人講師とともに題材について話し合ったり、グループごとに撮影した動画に英語の字幕を付けたりします。講師の先生と研修生がしっかりコミュニケーションを取らないと作業が進みません。留学先でうまく英語でコミュニケーションできるように、という配慮からの学習だと思います。

日本の伝統・文化は、実際に日本の伝統・文化を体験します。私は、風呂敷の体験、能と狂言の見学と体験などを行いました。

先端技術施設見学では、それぞれ見学場所に分かれて、説明を受けながら先端技術について学びました。

これらの研修が、高2の1学期まで続きました。課題作成に苦労して睡眠時間を削るような時もありましたが、とても楽しく、自らの成長が感じられるような充実した研修だったと思います。

 英検

英検は、3級は中3の夏、準2級は高1の夏に合格しました。留学前に2級に合格しておきたいと考え、高1の冬に2級を受検しましたが不合格でした。

高2の夏が留学前の最後のチャンスになるので、がんばりました。次世代リーダー育成道場での研修でも英語力が上がったので、なんとか1次試験に合格できました。2次試験に備えて、ジャムで過去問を使って面接試験対策をみっちりとやってくれました。2次試験はかなりの高得点で合格。これまで英語は苦手と思っていたのですが、これで少し自信がつきました。

 派遣先決定

高2の6月に、派遣先がミシガン州のデトロイト近郊、出発日が8月26日と決まりました。ホストファミリーの家は、グーグルマップで調べたら、あまり田舎ではない、しかしゆったりとした街並みの住宅地にあるようです。通う高校についても、ホームページがあったので、どんな様子か多少は情報を得ることができました。

 同級生の合格(平成28年度第5期生募集)

私が所属している英語部の同級生が、「私も留学したい!」と言い始めたので、次世代リーダー育成道場を薦めてみました。選考試験を受けることにしたので、自分が受けた試験内容などについていろいろとアドバイスしました。その同級生は、がんばって勉強を続けました。そして、5期生として選考試験に合格し、入門できることになりました。私が入門したことでまわりにもいい影響を与えることができて、とても嬉しいです。

皆さんも、この体験談を読んで、少しでも留学に興味を持ったら、ぜひ次世代リーダー育成道場に出願してみてください。

 参考情報

平成27年度 次世代リーダー育成道場 研修生(第四期生)募集案内

平成27年度 次世代リーダー育成道場 研修生募集要項

平成28年度 次世代リーダー育成道場 研修生(第五期生)募集案内

平成27年度 次世代リーダー育成道場 研修生募集要項