海外留学体験レポート A−2
カナダのバンクーバー・1か月
Y.S.くん(本人) 2006年9月掲載

学校の友達が一人もいないツアーに参加して、一人でカナダに行くことに、決してワクワクするような気持ちはありませんでした。自分で行くと決めたけれど、どんな毎日になるんだろうなぁという不安の方が大きかったです。

でも、ホストファミリーのマーシャルさんに迎えられて、その不安は一瞬にして消えました。「こんな人たちだったらいいな」という期待通りのファミリーでした。エンジニアだというお父さん、いつも笑っている元気いっぱいのお母さん、3人の小さな子どもたち。イギリスに住んでいたけれど、数年前にカナダに移住したのだそうです。バンクーバーの生活にも慣れてきたので、留学生でも受け入れようかということになり、ぼくがその1人目の留学生となったのです。母が学生の頃にイギリスに留学していたことがあると話すと、すごく喜んでくれました。

ホストファミリーは、色々なことをぼくに聞いてきました。お父さんは日本のアニメやマンガが好きで、とくに「ガンダム」のことをいろいろ聞いてきました。でも、ぼくはあまりガンダムにくわしくないので答えられないでいると、「じゃあ、『ドラゴンボール』ってマンガを知ってるかい?」と。ドラゴンボールのことならなんでも答えられるのですが、英語で伝えるのが難しいのです。でも、簡単な単語やセンテンスで聞いてくれるので、なんとか答えることができるようになり、少しずつ会話が弾むようになっていきました。

少し驚いたのは、カナダの人は日本のことをあまりよく知らないということです。日本人がカナダを知っている程度に、カナダの人が日本のことも知っていると思っていたのですが、そうではありませんでした。野球のこともよく知らなかったし、相撲のこともよく知りません。だから、どんなことでも興味をもって聞いてくるのです。日本の生活、日本で盛んなスポーツ、日本で人気のある映画、日本人の好みなど…。そういう質問にすべて答えられるほど、日本のことをよく知らない自分、関心を持っていなかった自分が少し恥ずかしいと思いました。たとえ英語があまりしゃべれなくても、話したいことがあれば会話はできるし、気持ちも伝わるのだと言うことがよく分かりました。

日本に帰る日が迫ってきた時は、「帰りたくないなあ」という気持ちで一杯でした。マーシャルさんも「まだ遊びにおいで」と言ってくれました。無事に大学に入れたら、今度はバイトでお金を貯めて、またカナダに行こうと思っています。