金魚すくいの金魚がすぐに死んでしまうのは、飼い方が悪いからです。上手に飼えば、金魚すくいの金魚は5年も6年も、うまく行けばもっと長く生きてくれます。
金魚すくいでもらった金魚が7年間生きている事例。
現在の体長は、和金が10cm前後、流金が12cm前後。
当初5匹だったが、3年くらい生きた後、水換えをさぼって
いたら病気になって、2匹続けてお亡くなりになった。
もらって飼いたい場合は、なるべく元気がよくて、大きく育っている金魚を選びます。たくさんすくおうとせず、素早く逃げ回るやつにねらいを絞って、しつこく追い回してゲットします。大きさよりも元気さが大切なので、元気が良すぎて大型をすくおうとするとポイが破れてしまう場合は、中型や小型を狙います。
なお、縁日の金魚すくいの場合、3〜4cmの金魚の中に5〜6cmのでかい金魚が混じっていたりしますが、これは年齢の違いです。3〜4cmの金魚は春に生まれた当歳魚、5〜6cmの金魚は昨年の春に生まれた1歳魚です。でかい金魚を狙ってもいいですが、これは「ポイ破り」と金魚すくい業者の間で呼ばれており、中級テクニックの「11.金魚は頭から上半身だけをすくう」という技を使わない限り、ゲットできません。
よく見ると、尾ひれが三つ又になっている金魚もたまにいます。このような金魚は、大きくなると、尾ひれが三つ又の和金か、あるいは流金に育ちます。上の写真の流金は、尾ひれが三つ又なので試しにゲットして飼ってみたら、このような美しい姿に育ちました。でも、尾ひれが三つ又の金魚がそのまま大きくなって尾ひれが三つ又の和金になったという報告もあります。当歳魚の段階で、尾ひれが三つ又の和金と流金を見分ける方法があるのかもしれません。研究してみます。
金魚袋には、なるべく多めに水を入れてもらいましょう。そして、できるだけ揺らさないようにして、大急ぎで家に帰ります。金魚は輸送にとても弱いからです。水が揺られるとそれだけで弱ってしまいます。また、袋の中の水はあまり水質が良くなく、さらに量も少ないので、そのままでは1時間しないうちに金魚は酸欠になってあっぷあっぷを始めます。さらに、真夏の場合は水温がどんどん上がってしまいます。綿アメやソースせんべいを食べたい場合は、金魚すくいの前に済ましておきましょう。
ポンプ付の水槽が必要です。ポンプは水中ポンプ式(上面濾過または下面濾過)が静かで濾過能力も高いためベストですが、エアーポンプでチューブを水槽の中に入れてぶくぶくという方式でも、濾過器(グラスウールを入れて水を濾過する部分)が付いていればOKです。
上の写真の水槽は、上面濾過の水中ポンプ式の蛍光灯付ガラス製30cm13リットル水槽です。メーカーはトモフジ(業界2位か3位くらいのメーカー)、ホームセンターで15000円くらいでした。このサイズで、金魚すくいの金魚なら5匹くらいは飼えます。10匹は入れ過ぎです。でも、7年間生きているのは3匹だけなので、3匹がちょうどいいのかも知れません。
その他、あると便利な器具は、金魚すくい網(水槽の清掃の際に洗面器に金魚を移すときに使用)、風呂水洗濯用ポンプ(水槽の水換えや清掃の際にとても便利、ホームセンターで1500円程度、ただし接続するホースは別売)、にせものの水草(本物の水草は金魚が食べてすぐにぼろぼろになってしまい見栄えが悪く、またちぎれた水草のかけらが腐って水質を悪化させる)などです。
水槽に水を入れたら、カルキ抜きを入れて、金魚を入れたままの金魚袋を水の中に入れます。水温をゆっくりと合わせるためです。金魚は急激な水温変化に弱い(いきなり水が冷たくなると風邪を引くこともあるらしい)ので、10分か15分そのままにして、金魚袋の水と水槽の水がだいたい同じになったら、金魚袋の金魚と水を水槽内に放ちます。
この時、金魚はもっとも弱った状態なので、手でつかんだり、金魚網ですくったりしてはいけません。金魚袋の汚れた水が水槽内に入りますが、水槽の水の量と比較するとほんのわずかなので、汚れの濃度はかなり低くなります。気にしなくていいでしょう。
エサの量は、5〜10分でたいらげるくらいの量がベストです。金魚を水槽に入れてしばらくは、エサの量を控えめにしましょう。なぜなら、金魚にもいろいろな性格のやつがいて、臆病な金魚は環境が変わるとしばらくはびびってまったくエサを食べないからです。
エサの種類は、浮上性のエサがベストです。沈下性のエサは金魚が食べ残すことが多く、食べ残されたエサはすぐにくさって水質を一気に悪化させます。
エサやりの頻度は、1日1回か2回です。エサを多くあげると、早く大きくなりますが、寿命が短くなるので、1日1回・5分で食べ終わる量でいいという意見もあります。上記の写真の金魚は、1日1回・3分で食べ終わる量で育っています。いつもひもじいらしく、人が近くに来ると「エサくれ〜」とすり寄ってきます。
上の写真の金魚は、月に1回の水換え、2か月に1回の清掃で育っています。たまに2か月水換えをさぼると、てきめんに病気(尾ぐされ病、白点病)になります。
金魚が病気になると、当初はしっかり水槽の清掃をした後に、水槽の水が青くなる薬を使っていました(1瓶800円で、13リットル水槽の場合6回分くらい)。しかしこの薬、よく読むと主成分が塩化ナトリウムでした。そのため、1瓶使い終わってからは、塩を使っています。台所にある、普通の塩です。大きなスプーンで山盛りで3杯か4杯です。まとめてどばっと入れると危なそうなので、1杯ずつ入れて、しっかり溶けてから水をなめてしょっぱさを確認して、真水と海水の中間くらいのしょっぱさにしています。すると、だいたい2週間くらいで病気が直ります。